プロセス制御システム(SysVinit)/etc/rc.dの中身

プロセス制御システム(SysVinit)は、以下の5部に分けて解説しています。

/etc/rc.dの中身

 /etc/rc.dディレクトリには、各ランレベルで起動/停止するサービスを管理するためのファイルが格納されています。このディレクトリには、以下のサブディレクトリが含まれています。

ディレクトリ説明
/etc/rc.d/rc[N].d各ランレベルに対応するディレクトリ。Nはランレベルの値(0〜6)。
/etc/rc.d/init.d実際のサービススクリプトが格納されているディレクトリ。
/etc/rc.dの中身

rc[N].dディレクトリの内容

 各ランレベルに対応するディレクトリ(例:/etc/rc.d/rc3.d)には、Sから始まるファイルとKから始まるファイルが含まれています。

ファイル名の形式説明
SXXサービス名システム起動時にサービスを開始(Start)するスクリプトへのシンボリックリンク。
KXXサービス名システム停止時にサービスを終了(Kill)するスクリプトへのシンボリックリンク。
XXスクリプトの実行順序を決定する2桁の番号。
ファイル名の形式

ls /etc/rc.d/rc3.dの出力例と解説

$ ls /etc/rc.d/rc3.d
(略) K01atd -> ../init.d/atd
(略) K01netfs -> ../init.d/netfs
(略) S10network -> ../init.d/network
(略) S55sshd -> ../init.d/sshd
(略) S99local -> ../init.d/local
出力結果の解説
ファイル名説明
K01atdランレベル3でatdサービスを停止するスクリプト。
K01netfsランレベル3でnetfsサービスを停止するスクリプト。
S10networkランレベル3でnetworkサービスを開始するスクリプト。
S55sshdランレベル3でsshdサービスを開始するスクリプト。
S99localランレベル3でlocalサービスを開始するスクリプト。
出力結果の解説
rc[N].dディレクトリのファイルの書式
要素説明
Sサービスを開始(Start)するスクリプト。
Kサービスを停止(Kill)するスクリプト。
XXスクリプトの実行順序を決定する2桁の番号。
サービス名サービスの名前。
ファイルの書式
ファイル名の具体例と解説
例:S55sshdサービス
要素説明
Sサービスを開始するスクリプト。
55実行順序番号。55はこのサービスが他のサービスよりも後に実行されることを示す。
sshdSSHデーモン(Secure Shell Daemon)のサービス名。
S55sshdサービス
sshdの解説

 sshdは、SSH(Secure Shell)プロトコルを使用してリモートログインを提供するデーモンです。これにより、セキュアな通信を確保しながら、リモートのサーバーにアクセスできます。

chkconfigコマンド

 chkconfigコマンドは、サービスの起動設定を簡単に管理するためのツールです。このコマンドを使用することで、特定のランレベルでのサービスの起動や停止を設定できます。

chkconfigコマンドの例
# chkconfig --list sshd

このコマンドは、sshdサービスがどのランレベルで有効になっているかを表示します。

まとめ

 /etc/rc.dディレクトリには、各ランレベルで起動/停止するサービスを管理するファイルが格納されています。rc[N].dディレクトリには、Sから始まるファイルとKから始まるファイルがあり、それぞれサービスの開始と停止を制御するシンボリックリンクです。サービス管理にはchkconfigコマンドを使用することで、簡単に設定を確認および変更できます。