プロセス制御システム(systemd)概要と操作

プロセス制御システム(systemd)は、以下の4部に分けて解説していきます。

systemdの概要

 systemdは、現在主流のプロセス制御システムであり、Linuxサーバーの構築や管理において、この仕組みを理解しておくことが重要となります。systemdは、従来のSysVinitに代わり、より効率的で柔軟なシステム管理を提供します。

 systemdでは、Unit(ユニット)と呼ばれる処理単位を使用してOSの動作モードやサービスの状態を管理します。Unitにはいくつかのタイプがあり、Linuxの起動に関連するものはターゲットUnitと呼ばれます。

ターゲットUnit

 ターゲットUnitは、システムの状態を表すユニットの一種で、他のUnitのグループをまとめて管理するために使用されます。ターゲットUnitは、特定のシステム状態(例:マルチユーザーモード、グラフィカルモード)を定義し、その状態に必要なサービスや依存関係を管理します。

Unitの主なタイプ

Unitタイプ説明
serviceサービスを管理するUnit。サービスの起動や停止を制御します。
targetシステムの状態を定義するUnit。複数のUnitをグループ化して管理します。
socketソケットを管理するUnit。通信の出入り口となるドアを管理する。
timerタイマーを管理するUnit。特定の時間や間隔でサービスを起動します。
Unitの主なタイプ

systemdの起動プロセスの流れ

 systemdを使用しているLinuxでは、カーネルの起動後にsystemdプロセスが起動します。systemdの起動プロセスは以下の手順で進行します。

  1. /etc/systemd/system/default.targetファイルを確認してリンク先のファイルにアクセスする。
  2. リンク先のファイルが/usr/lib/systemd/system/multi-user.targetの場合、このファイルに記載されているサービスを起動する。

systemd関連のプロセス

プロセス名説明
systemdシステムおよびサービスマネージャ。Linuxの起動プロセスとサービスの管理を行います。systemdのメインとなるプロセス。
systemd-journaldログ管理を行うデーモン。システムログとカーネルログを収集し、保管します。
systemd-udevdデバイス管理を行うデーモン。ハードウェアの検出と管理を行います。
systemd-logindユーザーセッション管理を行うデーモン。ログインセッションや電源管理を担当します。
systemd関連のプロセス

まとめ

 systemdは、従来のSysVinitに代わる柔軟で効率的なプロセス制御システムです。Unitと呼ばれる処理単位を用いて、サービスやシステムの状態を管理します。特にターゲットUnitは、システムの特定の状態を定義し、関連するサービスをグループ化して管理します。

 systemdの起動プロセスは、カーネルの起動後にsystemdプロセスがスタートし、指定されたターゲットUnitに従って必要なサービスを起動します。また、systemd関連のプロセス(systemd、systemd-journald、systemd-udevd、systemd-logind)もシステムの各種管理を担当しています。

特徴systemd
主な管理単位Unit(ユニット)
主なユニットタイプservice, target, socket, timer
起動プロセスdefault.targetを確認し、リンク先のターゲットUnitに従ってサービスを起動
関連プロセスsystemd, systemd-journald, systemd-udevd, systemd-logind
まとめ

systemdを理解し、適切に操作することは、現代のLinuxシステム管理において重要なスキルです。