Linuxの起動の流れ

 Linuxの起動プロセスは、以下の4つの主要なフェーズに分けられます。各フェーズで特定の役割を果たすコンポーネントが順番に実行され、システムが正常に起動するようにします。

  1. ファームウェア(BIOS/UEFI)
  2. ブートローダ(GRUB Legacy/GRUB 2)
  3. カーネル(vmlinuz)
  4. プロセス制御の初期化(init/systemd)

➊ ファームウェア(BIOS/UEFI)のフェーズ

 ファームウェアは、システムの電源が入った後に最初に実行されるソフトウェアです。BIOS(Basic Input/Output System)またはUEFI(Unified Extensible Firmware Interface)として知られています。

項目説明
役割ハードウェアの初期化とブートデバイスの検出
主なタスクPOST(Power-On Self Test)を実行し、ハードウェアの状態をチェックします。
結果有効なブートデバイスが検出されると、ブートローダーに制御を移します。
ファームウェア(BIOS/UEFI)のフェーズ

❷ ブートローダ(GRUB Legacy/GRUB 2)のフェーズ

 ブートローダは、カーネルをメモリにロードし、システムの制御をカーネルに渡す役割を果たします。GRUB(GRand Unified Bootloader)が一般的に使用されます。

項目説明
役割カーネルと初期RAMディスク(initramfsまたはinitrd)の読み込みと実行
主なタスクブートメニューを表示し、ユーザーが選択したカーネルをロードします。
結果カーネルイメージをメモリにロードし、カーネルに制御を渡します。
ブートローダー(GRUB Legacy/GRUB 2)のフェーズ

❸ カーネル(vmlinuz)のフェーズ

 カーネルは、オペレーティングシステムの中核部分であり、システムリソースの管理とプロセスの実行を担当します。

項目説明
役割ハードウェアの抽象化とリソース管理
主なタスクハードウェアデバイスの初期化とシステムの基本的な設定
結果初期化プロセス(initまたはsystemd)に制御を渡します。
カーネル(vmlinuz)のフェーズ

➍ プロセス制御の初期化(init/systemd)のフェーズ

 初期化プロセスは、システムの他のすべてのプロセスを起動および管理します。伝統的なinitシステムと、現代の多くのディストリビューションで使用されるsystemdがあります。

項目説明
役割システムの残りの部分の初期化とサービスの起動
主なタスクランレベルやターゲットに応じてサービスを起動し、ユーザーがログインできるように準備します。
結果システムが完全に起動し、ユーザーがログインして使用できる状態になります。
プロセス制御の初期化(init/systemd)のフェーズ

まとめ

 Linuxの起動プロセスは、複数のフェーズを経てシステムを起動します。各フェーズで特定のタスクが実行され、次のフェーズに制御が渡されることで、システムが正常に起動します。以下にそれぞれのフェーズをまとめます。

  1. ファームウェア(BIOS/UEFI): ハードウェアの初期化とブートデバイスの検出
  2. ブートローダ(GRUB Legacy/GRUB 2): カーネルのロードと実行
  3. カーネル(vmlinuz): ハードウェアの抽象化と初期設定
  4. プロセス制御の初期化(init/systemd): システムサービスの起動と管理

この一連のプロセスにより、Linuxシステムはユーザーが使用可能な状態にまで起動されます。