シェル変数と環境変数

シェル変数とは

 シェル変数は、シェル(コマンドラインインターフェース)で使用される一時的なデータ保存用の名前付きストレージです。シェル変数は、ユーザーがスクリプトやコマンドを実行する際に、情報を格納して再利用するために使用されます。

変数の定義

シェル変数は以下の形式で定義されます。

【定義】
変数名=値

例:

myvar="Hello, World!"

変数名に使える文字

シェル変数名には以下のルールがあります。

  • 英大文字と小文字を区別します(case-sensitive)
  • 文字(A-Z, a-z)、数字(0-9)、およびアンダースコア(_)を含めることができます
  • 変数名は文字で始めなければなりません(数字では始められません)

例:

  • 有効な変数名: VAR1, my_var, _temp
  • 無効な変数名: 1var, my-var

変数の呼び出し

変数の値を呼び出すには、変数名の前に「$」記号を付けます。

echo $myvar
Hello, World!

上記の例では、「Hello, World!」が表示されます。

シェル変数と環境変数の用途

シェル変数には以下の2つの主要な用途があります。

  • シェル変数: 現在のシェルセッションでのみ有効な変数
  • 環境変数: シェルから起動されるすべての子プロセスに継承される変数

主な環境変数

環境変数説明
PATHコマンドを検索するディレクトリのリスト。システムが実行可能ファイルを探す場所を指定します。
HOMEユーザーのホームディレクトリのパス。
USER現在のログインユーザー名。
SHELLデフォルトのシェルプログラムのパス。
PWD現在の作業ディレクトリのパス。
LANGデフォルトのシステムロケール設定。
EDITORデフォルトのテキストエディタ。
LOGNAMEユーザーのログイン名。
主な環境変数

例:環境変数の設定

環境変数は以下のように設定できます。

export VAR_NAME=value

例:

export PATH=$PATH:/new/path

これにより、PATH環境変数に新しいパスが追加されます。