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環境変数を一時的に指定してコマンドを実行:envコマンド

env コマンドの概要

 env コマンドは、環境変数を一時的に設定・変更してからコマンドを実行するために使用されます。このコマンドを使うことで、特定の環境変数を設定した状態で一時的にコマンドを実行できます。これにより、システム全体の環境変数に影響を与えることなく、必要に応じて個別のコマンド実行時に環境をカスタマイズできます。

【構文】
env [変数名=値] [コマンド名]

コマンドの使用例と解説

1.すべての環境変数を表示する。

・「env」コマンドを実行します。

すべての環境変数が表示されます。

user01@ubuntu-vm:~$ env
SHELL=/bin/bash
SESSION_MANAGER=local/ubuntu-vm:@/tmp/.ICE-unix/2480,unix/ubuntu-vm:/tmp/.ICE-unix/2480
QT_ACCESSIBILITY=1
COLORTERM=truecolor
(省略)
2.新しい環境変数を設定してコマンドを実行する。

・「env VAR1="Hello," bash -c 'echo $VAR1'」コマンドを実行します。

 この例では、VAR1 という新しい環境変数を設定し、その値を “Hello,” にしています。次に、新しいシェル(bash)を起動し、そのシェル内で echo $VAR1 コマンドを実行します。結果として、VAR1 の値が表示されます。

user01@ubuntu-vm:~$ env VAR1="Hello," bash -c 'echo $VAR1'
Hello,
3.複数の環境変数を設定してコマンドを実行する。

・「env VAR1="Hello," VAR2=" World!" bash -c 'echo $VAR1 $VAR2'」コマンドを実行します。

 この例では、VAR1VAR2 という2つの環境変数を設定し、その状態で echo コマンドを実行します。複数の環境変数を一度に設定して、特定のコマンドを実行することができます。

user01@ubuntu-vm:~$ env VAR1="Hello," VAR2=" World!" bash -c 'echo $VAR1 $VAR2'
Hello, World!

まとめ

 env コマンドは、環境変数を一時的に設定・変更してコマンドを実行するための強力なツールです。これにより、システム全体の環境変数に影響を与えることなく、特定のコマンド実行時の動作をカスタマイズできます。上記の使用例と解説を参考にして、env コマンドを効果的に活用してください。