ブートローダ(GRUB Legacy/GRUB 2)

 ブートローダ(bootloader)は、コンピュータの起動時に最初に実行されるプログラムで、オペレーティングシステムのカーネルをメモリにロードし、システムの制御をカーネルに渡す役割を果たします。Linuxでは、GRUB(GRand Unified Bootloader)が広く使用されています。

GRUB LegacyとGRUB 2

 GRUBには、バージョン0.9x系のGRUB Legacyとバージョン1.9x系のGRUB 2があります。どちらも「grub-install」コマンドを使用してインストールされますが、それぞれの機能や構造には違いがあります。

GRUB LegacyとGRUB 2の違い

項目GRUB LegacyGRUB 2
インストールコマンドgrub-installgrub-install
ディスクの認識1台目の1つ目のパーティションを(hd0,0)と表記1台目の1つ目のパーティションを(hd0,1)と表記
設定ファイル/boot/grub/menu.lst/boot/grub/grub.cfgまたは/boot/grub2/grub.cfg
設定ファイルの編集/boot/grub/menu.lstを直接エディタで編集/etc/default/grubファイルを編集後、grub-mkconfigまたはgrub2-mkconfigコマンドを実行
GRUB LegacyとGRUB 2の違い

GRUB Legacyのメニュー画面の解説

 GRUB Legacyのメニュー画面は、システム起動時に表示されます。起動後にカウントダウンが始まり、画面下部の説明に従ってキーを押すとメニューを操作できます。エディット画面に移行するには「e」キーを押します。

項目説明
root行ルートデバイスを指定します。
kernel行カーネルイメージのパスとオプションを指定します。
initrd行初期RAMディスクのパスを指定します。
メニュー項目
・GRUB Legacyのメニュー画面
・GRUB Legacyのエディット画面

GRUB 2のメニュー画面の解説

 GRUB 2のメニュー画面もGRUB Legacyと同様に、システム起動時に表示されます。起動後にカウントダウンが始まり、画面下部の説明に従ってキーを押すとメニューを操作できます。エディット画面に移行するには「e」キーを押します。エディット画面で表示される内容は、設定ファイル/boot/grub/grub.cfgに記録されています。

・GRUB 2のメニュー画面
・GRUB 2のエディット画面

トラブルに遭遇したくなければ、GRUBには手を出さない

 GRUBの設定を誤るとシステムが起動しなくなるリスクがあります。慎重に設定を行い、必要な場合はバックアップを取るなどの対策を講じることが重要です。

まとめ

 GRUBはLinuxシステムの起動プロセスを管理する重要なコンポーネントです。GRUB LegacyとGRUB 2にはそれぞれ特徴があり、インストールコマンド、ディスクの認識方法、設定ファイルの配置方法に違いがあります。GRUB 2はより多機能で柔軟性が高く、現代のシステムに適した機能を提供していますが、設定を誤るとシステムが起動しなくなるため、慎重な操作が必要です。