syslogとrsyslog

 syslogとrsyslogは、Linuxシステムでログメッセージを管理、収集、処理するためのユーティリティです。以下にそれぞれの概要と役割、およびそれらの違いについて説明します。

syslog

 syslogは、UNIX系システムで最も一般的に使用されるログメッセージ処理システムの標準的な実装です。システムやアプリケーションからのログメッセージを処理し、適切なログファイルに書き込む役割を担っています。

主な機能としては、以下のようなものがあります。

  • ログメッセージの収集と処理
  • ログレベルに基づくフィルタリング
  • ログのローテーション(古いログファイルを圧縮したり、削除したりする)
  • リモートログ収集(他のシステムからのログメッセージを受信する)

rsyslog

 rsyslogは、syslogの改良版であり、機能が拡張されたログメッセージ処理システムです。rsyslogは、syslogとの互換性を保ちながら、より高度な機能を提供します。主な改善点は、以下の通りです。

  • パフォーマンスの向上
  • 柔軟なフィルタリングおよびログのルーティング機能
  • TCPおよびTLSを介したセキュアなリモートログ収集
  • メッセージのキューイングと転送の機能
  • ログデータのディスクキャッシュ

 rsyslogは、syslogと互換性があり、通常はsyslogの代替として使用されますが、追加の機能やパフォーマンス向上を求める場合にも適しています。

 CentOS(およびその派生ディストリビューションであるRHEL)では、デフォルトでrsyslogがログの収集と管理を担当しています。rsyslogは、システムの様々なイベントやプロセスから生成されるログメッセージを収集し、指定されたログファイルに書き込んだり、リモートシステムに送信したりする役割を果たしています。

 rsyslogの設定ファイルは通常、/etc/rsyslog.confにあります。このファイルには、どのログメッセージをどのファイルに書き込むかや、リモートシステムにログを送信する方法などが定義されています。また、/etc/rsyslog.d/ディレクトリには、さらに詳細な設定が含まれる場合があります。

 rsyslogは、ログメッセージを収集し保存するだけでなく、メッセージのフィルタリングや処理、リモートシステムへの送信、さらにはログの転送や集約などの高度な機能も提供しています。

 CentOSやRHELのようなRed Hat系のディストリビューションでは、rsyslogが標準的なログ収集ツールとして利用されており、システム管理者はこのツールを使用してログの収集と管理を行います。

違い

主な違いは以下の通りです。

  • rsyslogはsyslogの改良版であり、より多くの機能と柔軟性を提供します。
  • rsyslogはパフォーマンスが向上しており、大規模なシステムや複雑なログ収集シナリオに適しています。
  • rsyslogはセキュリティ強化のために、TCPおよびTLSを介したセキュアなリモートログ収集をサポートしています。

 一般的に、新しいシステムではrsyslogの使用が推奨されますが、既存のシステムではsyslogからrsyslogに移行することも可能です。