kill コマンド:シグナルの送信

コマンドの概要

 kill コマンドは、プロセスにシグナルを送信するために使用されます。通常、kill コマンドはプロセスID(PID)を指定して実行され、そのPIDを持つプロセスに指定されたシグナルを送信します。

コマンドの主なオプションと説明

オプション説明
-l, –list利用可能なシグナルの一覧を表示する
-s, –signal <シグナル名または番号>送信するシグナルを指定する
-<シグナル名または番号>送信するシグナルを指定する(一部の環境では利用不可)
主なオプションと説明

「killall」コマンドについて

 killall コマンドは、プロセス名に基づいてプロセスを終了するために使用されます。kill コマンドとは異なり、プロセスIDではなくプロセス名を指定します。

「kill」と「killall」コマンドの違い

  • kill コマンド
    プロセスID(PID)を指定してプロセスにシグナルを送信する。
  • killall コマンド
     プロセス名を指定してプロセスを終了する。同じ名前の複数のプロセスが存在する場合、全ての該当プロセスに対してシグナルが送信される。

コマンドの使用例と解説

1.kill コマンドの使用例

このコマンドは、PIDが1234のプロセスに対して強制終了のシグナル(SIGKILL)を送信します。

$ kill -9 1234
2.利用可能なシグナルの一覧を表示する。

-lオプションを指定すると、利用可能なシグナルの一覧が表示されます。

$ kill -l
 1) SIGHUP	 2) SIGINT	 3) SIGQUIT	 4) SIGILL	 5) SIGTRAP
 6) SIGABRT	 7) SIGBUS	 8) SIGFPE	 9) SIGKILL	10) SIGUSR1
11) SIGSEGV	12) SIGUSR2	13) SIGPIPE	14) SIGALRM	15) SIGTERM
16) SIGSTKFLT	17) SIGCHLD	18) SIGCONT	19) SIGSTOP	20) SIGTSTP
21) SIGTTIN	22) SIGTTOU	23) SIGURG	24) SIGXCPU	25) SIGXFSZ
26) SIGVTALRM	27) SIGPROF	28) SIGWINCH	29) SIGIO	30) SIGPWR
31) SIGSYS	34) SIGRTMIN	35) SIGRTMIN+1	36) SIGRTMIN+2	37) SIGRTMIN+3
38) SIGRTMIN+4	39) SIGRTMIN+5	40) SIGRTMIN+6	41) SIGRTMIN+7	42) SIGRTMIN+8
43) SIGRTMIN+9	44) SIGRTMIN+10	45) SIGRTMIN+11	46) SIGRTMIN+12	47) SIGRTMIN+13
48) SIGRTMIN+14	49) SIGRTMIN+15	50) SIGRTMAX-14	51) SIGRTMAX-13	52) SIGRTMAX-12
53) SIGRTMAX-11	54) SIGRTMAX-10	55) SIGRTMAX-9	56) SIGRTMAX-8	57) SIGRTMAX-7
58) SIGRTMAX-6	59) SIGRTMAX-5	60) SIGRTMAX-4	61) SIGRTMAX-3	62) SIGRTMAX-2
63) SIGRTMAX-1	64) SIGRTMAX	
3.killall コマンドの使用例

このコマンドは、プロセス名が firefox の全てのプロセスに対して終了要求のシグナル(SIGTERM)を送信します。

$ killall -SIGTERM firefox

 これらのコマンドを使用すると、特定のプロセスやプロセスグループを終了させることができます。ただし、kill -9 のように強制終了シグナルを使用する場合は、プロセスが正常に終了できない場合にデータ損失や問題が発生する可能性があるので注意が必要です。