ビルド完了後に実行されるONBUILD命令

ONBUILD命令

 ONBUILD命令は、Dockerfile内で使用される特殊な命令の一つであり、ビルド完了後に次のビルドで実行されるコマンドをイメージ内に設定します。ONBUILD命令を含むイメージをベースに他のイメージをビルドした場合、その時点でONBUILDで指定されたコマンドが実行されます。

ONBUILDの利用例(Webシステム構築)

Webシステムの構築などでONBUILD命令を使用する例を考えてみます。

1回目のビルド

ベースイメージの準備

 まず、ベースイメージとして適切なOSと環境を含んだイメージを準備します。これには、必要なパッケージやミドルウェア、ツールなどが含まれます。このベースイメージを利用してリリース用コンテナを作成することができます。

開発環境のデプロイ

 ONBUILD命令を使用して、開発環境をデプロイする命令を設定します。これには、COPYコマンドADDコマンドを使用して、開発に必要なアプリケーションのソースコードや設定ファイルをイメージ内にコピーするなどの操作が含まれます。

1回目のビルドでは、ONBUILDで定義した命令は実行されません。

2回目のビルド

 開発者は、作成済みのアプリケーションのソースコードや設定ファイルをイメージ内にコピーします。これにより、開発者はすでに作成済みのベースイメージをもとに新しいイメージを作成する際に、開発環境を準備するために追加の手順を記述する必要がありません。

 1回目のビルド時にONBUILDで指定された処理が自動的に実行されます。ベースとなる「OSと環境」に加えて「開発環境」を含んだイメージが作成されます。

 開発者は、ONBUILDを含むベースイメージを利用することで、より簡単に開発環境を含んだカスタムイメージを構築し、アプリケーションをデプロイすることができます。

開発者はこのカスタムイメージを利用して開発用コンテナを簡単に準備することができます。